俺がチビッコのころずっと疑問に思ってた事がやっと分かったんだよ、
 
なんで大人達があんなにもつまらなそうにしているのかってさ・・・、
筋肉、全然動かしてねーんだよ!ビックリだよ!
 
「まぁそうカッカッするなよ」
 
筋肉、起こしちまったか・・すまん。
 
「筋肉動かすヒマがないんだよ、筋肉我慢してる人も大勢いるんだぜ?」 
 
筋肉我慢・・・?? 
 
「そう、筋肉の可能性を忘れた訳じゃない、
 
ただ、ねだっても仕方ないから、筋肉我慢することにしているのさ」
 
え?
 
・・・みんな筋肉なのに?
 
「あぁ、もちろんみんなは筋肉だよ、
でもそう簡単に筋肉を動かすわけにはいかないんだ」 
 
・・・おかしくない?
オール筋肉なのに?
 
 「そうだな、ひとつ問題を出そう。筋肉を動かす為に何が必要か分かるかい?」 
 
うーん、パッション!
 
マッスルパッション! 
 
 
「・・・昔は。そうだった」 
 
 
え?
 
「昔は確かにマッスルパッションだけで筋肉は動いていた、
 
しかし今は違う。今は時間とお金が必要なんだ」 
 
ま、まってよ、
 
時間は昔から1日24時間だし、
お金もかけなくたって筋肉はうご・・・
 
「分かってない!君は全然分かってない、筋肉は縛られちまったんだ」
 
「筋肉は、筋肉の意志ではなく、
時間とお金に縛られてしまったんだよ、
アスファルトの中に封印されてしまったんだよ」 
 
封印・・・だと?全ての筋肉が、
時代と共に封印されてしまったというのか?
 
嘘だろ?
 
 「嘘じゃない、君は嫌というほど見てきただろう、無職になるまでずっと見てきたんだろう?」
 
確かに、僕はずっと見てきた。
筋肉が軽視された世界ってやつを。
 
僕が筋肉!筋肉!と言えば言うほど、筋肉は否定されていった。
 
だから僕は筋肉と飛び出すことにしたんだ、
このままでは筋肉が危険であると感じたから。
 
「君は運が良かったんだ。偶然、筋肉SOSを感知することができた。キュイーンって」
 
”我慢”って大事ではあるけれど、
筋肉我慢は意味が違うんだ、筋肉は全てのベースであり、
筋肉あってこその生活なのである。同時に筋肉を遊ばせる時間も必要である。
 
筋肉を失っては充実感や希望は生まれてこなくなるんだ。
 
極限まで筋肉を動かさない時代の流れ、
 
こいつを、筋肉で食い止めるしかない
 
「封印を解く鍵を君に渡しておくよ」 
 
こ・・これは・・
 
 「鳥のササミとハンマーとランドセルの3点セットだ、きっと旅路の中で役にたつだろう」 
 
ありがとう、筋肉
 
「あ、もうひとつあった」 
 
なに? 
 
「除毛ムースだ。
いつかワキ毛と尻毛を除毛する必要があるかもしれない、
その時に使え」 
 
よし、行ってくる! 
 

メンバーのみ編集できます